求人動向を知ろう
介護業界は求人がいっぱい!今後も増え続ける需要と課題解決に奔走する国と業界の今
介護業界の求人動向
高齢化や核家族化が進めば進むほど、介護業界の求人も増えていくことは容易に予想できます。厚生労働省の発表によれば、2016年の介護職の有効求人倍率は3.02倍と、平均の1.36倍から見てかなり高い倍率です。このことからも、介護福祉士やケアマネージャーなどといった介護系人材は、どこも今すぐ欲しい人材であることが理解できます。2010年には人口の約20%が高齢者となった日本は、世界的に見ても超高齢化の社会です。ここからさらに進むこと15年後の2025年には、空前のベビーブームとも呼ばれたころに誕生した団塊の世代が75歳を超えます。その段階で、国民の3人に1人が高齢者になると予測されており、高齢化の波そのものをストップさせる手立てはもはやありません。ここからわかることは、介護業界が確実に今以上に忙しくなるということです、介護保険制度の施行によって介護サービスに民間が参入できるようになってからは、大手スーパーや不動産業界など、異業種から介護業界への流入が続いています。市場規模は今後さらに広がっていくと予想されている一方、正社員の確保と流出防止が業界の大きな課題となっています。
政府も対策を急いでいる
介護職に対する評判は、決して良いものとは言えないのが実情です。厚生労働省が公式に発表している介護職の賃金より、実際の方が低いという声もよく耳にします。ただし、ここでひとつ忘れてはならないのが、介護業界そのものがまだ浅い業界だということです。介護保険制度が始まって、民間が参入するようになってからまだ20年経過していないので、20年以上介護業界で働いている人材はそれほど多くありません。介護職を目指すために異業種から転職してくる人も大勢いるため、プロフェッショナルと呼べる人がまだまだ少ないのです。また、介護職にはパートタイマーが多いというのも、平均賃金を引き下げている要因のひとつです。パートタイマーの時給で比較してみると、飲食店やスーパー、事務のパートタイマーよりも介護職の方が高い傾向にあります。しかし、介護現場で働く職員の労働内容は決して楽なものとは言えず、処遇の改善が求められています。政府としては、処遇改善加算という名目で介護報酬を多く受けられる仕組みを用いるなど、介護職の待遇改善に力を入れています。介護現場の問題をかつてなかった視点で解決しようとする動きも加速しており、外国人労働者やシルバー人材の積極的な雇用、介護ロボットの開発なども行われています。ネガティブな情報も耳に入りやすい業界ですが、介護職の働き方改善に大きな注目が集まる中、対策が急がれている状況には将来性を感じることができます。